朝が来ても 夕方になって太陽が落ちても
私はただ ここに寝かされたみたいに動かない
苦痛も闇もとうに消え去っているのに
たった一筋の光だけが降りて来ない
神様の居所を誰かに尋ねたい
でも あの日から 誰の姿も見えない
ただ 秋の雨に抱きしめられるたびに
少しだけ上を向く癖がついた 緑色の私
![影](PHOT00000000000BF11E_500_0.jpg)
ねえ… 何も思い出せないのは 幸せなことなの…?
自分の影を土の上に映そうとすると そこに
小さな小さな植物の蔓が伸びていた
最初から私は こんな姿だったのかな…
なのに 植物… らしからぬことばかり考えて
あの春の午後の痛みを思い出そうとしているのは なぜ…?
誰かのお腹を蹴って この世に飛び出た淡い記憶が
私にあるのは なぜ…?
--- 〔 釜石市 10代後半ぐらい 女性 〕 ---