既に崩壊寸前だった夫婦仲
それをどうにかしようと 毎日ここに来て
考えごとをしていた
考えたからって どうにかなるものではないと
同僚にそれとなく仄めかされた 別離 の予感を
ここで払拭してから帰宅した日々
働いて働いて 主(あるじ)らしく振る舞ううちに
僕はやがて 僕ではなくなって行った…
だけど君は 本当の僕自身よりも
働く主(あるじ)を強く求めるようになり
やがて二人から完全に
愛だけが消え去った
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いっそゲームみたいに
何もかもがリセットされれば 気が済むのに…
そう思った矢先に訪れた
本当の すべての終わり
まるで背中を押されたみたいに
流れに身を任せた数分間
壊れたコンクリートの塊や空車が
水辺の玩具かガラクタみたいに散乱し
体のあちこちをぶつけて行くうちに
少しずつ気が遠くなって行った
だけど…
結婚してから ずっと苦しみ続けた13年の月日から
これで ようやく解き放たれると思った
同僚が思っていたよりも きっと
僕は本気だったんだろう
どんな姿になってもいい
心の底から自由になれるとしたら
たぶん 今しかない…
そう 確信した
--- 〔 南三陸町 40代後半 男性 〕 ---