Requiem 311

#39. Melt Down

麻酔から醒めたら 海の中にいた

きらきらと朝の太陽が差し込む 瓦礫の中

昨日まで隣で眠っていた少女が 軽々と
陸の上に体を浮かせて 私を呼んでる


こっちこっち! こっちにおいでよ…

わかってる… 貴女がそこにいる理由
私がここに いる理由…






たった二時間の間に 世界が変わって
もう元に戻れなくなった

そして私も…


ここから見えてる病室の窓
昨日まであんなに嫌いだった消毒薬の臭いが
それでも 生きていた証だったことを知る


少しずつだけど ほろほろと朽ちて行く躰

自慢の指先に絡みつく小魚の 歯の痛みも
もう感じなくなった



こっちこっち! こっちにおいでよ…

うん 今すぐ行くから そこで待っててね…






--- 〔 行方不明 病室から流された女性たち 20代/10代 〕 ---

Malena Ennio Morricone


BACK <<< HOME >>> NEXT