Requiem 311

#87. Utopia


水に映る太陽 月 木々や雲
この世界が変わってしまった瞬間を見届けた その時
私の中に開かれた重い一ページ


だけど彼らは生きている
そして彼らは生きている

それでも懸命に微笑んで
それまでと何も変わっていないみたいに
前に 前に 進んで行く
もうひとつの世界



祈り


痛みを忘れさせてあげたい…

私は杖を振り
光のイリュージョンを重ね合わせる

その後の世界の悲しみをせめて
忘れてほしいと願って…


瓦礫の積み木を緑の丘に変え
鉛の臭いのする海を 聖水の泉に変えて行く

痩せた土地に春の花を芽吹かせて
一から始まる無限の理想郷へ


彷徨う光を ひとつずつ呼び寄せる





--- 〔 ケルトの妖精 〕 ---

Tir na n'Og - Didier Merah


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