Requiem 311

#66. 朝顔

瓦礫の隙間から 瞬く星を見てる

しんと静まりかえったこの場所で
息を吹き返したみたいに体を起こして
そして 歩き出してみる…


痺れた感覚と ぎこちないつま先

破れた靴下の間から 一本の細い蔓が
空へと伸びている

私の体を奪った朝顔が
花を咲かせる支度を始めてる







朝焼けで 最後の星が見えなくなる頃
私は朝顔に生まれ変わるのかもしれない


頑張れ…
頑張って私の代わりに咲いてね…

なにも知らないあの人が
ここを通りかかった時
私だとわかるように…








瓦礫の隙間から 瞬く星を見てる

誰かに何かを話しかけたい衝動に駆られる
夜と朝の狭間の森に

たった

ひとり






--- 〔 南相馬市 15歳(推定) 女性 〕 ---

Steve's Theme - Aaron Zigman


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