Requiem 311

#48. ワルツ ~ 師の思い

あれから何もしない日が続いている

目が醒めることが怖いような そうでもないような
虚ろな時間の中で
まるでこれから長い旅に出るような 淡い胸騒ぎを
君にだけは伝えたいと メモを取る…


水を飲みに立ち上がるベッドの傍を
夏の魚が泳いでる

幻でも見てるんだろうか
それとも夢の中…?

雨の朝のように空気が濡れて
それが日差しを遠く遮って行く







男同士でワルツを踊りたいと 突然言われた時には
正直心臓が縮み上がったよ

でも それが君の 彼女への誠意だと知った時
同じことが僕にも出来るだろうかと考えた



たった二歳の歳の差

それは到底越えることの出来ない
生き様の差にも思えて
ただただ君を 華麗な筋肉質のダンサーにしようと
生き甲斐みたいに思えた数年間

それは決して無駄なことではなかった




たとえ君が大舞台で
永遠にワルツを踊ることが

出来なかったとしても





#47. ワルツ への師の返信
--- 〔 行方不明 気仙沼 50代後半から60代の男性 〕 ---

Makoto Ozone ( 小曽根真 ) - Last Summer


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