たぶん 私はママに抱かれて泣いていた
きらきらと光る太陽や 空とか雲とか
すべてが見分けのつかないぼやけた視界の中
わかるのは ママの汗と
優しい体の匂いだけ
すべてはこれから 始まるはずだった
これからゆっくりと 歩き始めるはずだった
![](o0500033511279822129.jpg)
私を生んだ後のママは 私を生んだ衝撃と疲れを背負って
起き上がることさえ出来なくて
海の中を 私の手だけを握ったまま流されて行った
どうすることも出来ない二人
だけど 二人はいつも一緒
怖いものなんて 何にもない…
![](http://requiem311.sakura.ne.jp/stat.ameba.jp/user_images/20110609/13/world-and-gothic/e0/2c/j/t02200293_0480064011279853129.jpg)
そして 二人はいつも一緒
ここで魚の群れを見上げてる
ここで
夏が半分つまった青空を見上げてる
私は再び ママの子宮の中にいるみたいにゆらゆらと
眠ってるママの腕の中で 揺れている
--- 〔 行方不明 生後一日半(推定) 女児 - 母と共に眠っている 〕 ---