朝が来ても 夕方になって太陽が落ちても
私はただ ここに寝かされたみたいに動かない
苦痛も闇もとうに消え去っているのに
たった一筋の光だけが降りて来ない
神様の居所を誰かに尋ねたい
でも あの日から 誰の姿も見えない
ただ 秋の雨に抱きしめられるたびに
少しだけ上を向く癖がついた 緑色の私
ねえ… 何も思い出せないのは 幸せなことなの…?
自分の影を土の上に映そうとすると そこに
小さな小さな植物の蔓が伸びていた
最初から私は こんな姿だったのかな…
なのに 植物… らしからぬことばかり考えて
あの春の午後の痛みを思い出そうとしているのは なぜ…?
誰かのお腹を蹴って この世に飛び出た淡い記憶が
私にあるのは なぜ…?
--- 〔 釜石市 10代後半ぐらい 女性 〕 ---