私はもう 時間を感じることができない
朝か夜か それとも夕刻なのか…さえ
捉えることができない
目の前に 白夜のような光景が広がっている
ひしめき合う吐息の渦が 空に舞い上がる
途中まで空を伝って降りて来る者もいるし
何度もその先をめざす人もいる
だけど私は生きている
生きようとしている
そのことを伝えたい家族が まだどこかにいると信じて
その場所に向かって行こうとしている
もつれる足を一歩一歩ゆっくり動かして
時には手を羽根のかわりにして 宙を移動するように
どうしても会いたい君のために 私は
なんとかしてここから出ようと もがいてる
--- 〔 陸前高田市 30代 男性 〕 ---