瓦礫の隙間から 瞬く星を見てる
しんと静まりかえったこの場所で
息を吹き返したみたいに体を起こして
そして 歩き出してみる…
痺れた感覚と ぎこちないつま先
破れた靴下の間から 一本の細い蔓が
空へと伸びている
私の体を奪った朝顔が
花を咲かせる支度を始めてる
朝焼けで 最後の星が見えなくなる頃
私は朝顔に生まれ変わるのかもしれない
頑張れ…
頑張って私の代わりに咲いてね…
なにも知らないあの人が
ここを通りかかった時
私だとわかるように…
瓦礫の隙間から 瞬く星を見てる
誰かに何かを話しかけたい衝動に駆られる
夜と朝の狭間の森に
たった
ひとり
…
--- 〔 南相馬市 15歳(推定) 女性 〕 ---