Requiem 311

#63. 早すぎた恋

やっと会えたと思った

ほんとに… やっと…


生まれた時からこうしてることが
当たり前の二人だった

男とか女とか 子供だからとか
そういうことは全然気にしなかったし
どこか心と体が別々に生きているみたいな二人だったから

早すぎる恋がいけないことだ… と言う 大人たちの助言が
二人には似つかわしくないと思ってた






あれは真夏の午後のこだま…

過剰な太陽の熱でぼんやりかすんだ視界の中
神の手元から零れ落ちた魂みたいな数年間

だけどそれなりに 二人は一生懸命に
短い命を走り続けたね



水のあやふやな冷たさで 目が覚めた

たとえこうして目が覚めても
私たちの両の瞼は 開かない

だけど あなたが傍にいることを
右腕で感じてる


そこだけが温かい
そこだけが生きて泣いてるみたいに
あなたを愛してる




--- 〔 釜石市 10歳未満の女の子 〕 ---

Max Richter - Embers


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