やっと会えたと思った
ほんとに… やっと…
生まれた時からこうしてることが
当たり前の二人だった
男とか女とか 子供だからとか
そういうことは全然気にしなかったし
どこか心と体が別々に生きているみたいな二人だったから
早すぎる恋がいけないことだ… と言う 大人たちの助言が
二人には似つかわしくないと思ってた
あれは真夏の午後のこだま…
過剰な太陽の熱でぼんやりかすんだ視界の中
神の手元から零れ落ちた魂みたいな数年間
だけどそれなりに 二人は一生懸命に
短い命を走り続けたね
水のあやふやな冷たさで 目が覚めた
たとえこうして目が覚めても
私たちの両の瞼は 開かない
だけど あなたが傍にいることを
右腕で感じてる
そこだけが温かい
そこだけが生きて泣いてるみたいに
あなたを愛してる
--- 〔 釜石市 10歳未満の女の子 〕 ---