一年のうちで太陽がいちばん長い日に
二人は生まれた
そして太陽が饒舌な季節に出会い
二十年が過ぎた
お互いに もうそろそろだという時
同時に違う試練に導かれた 君と僕
その試練は この世界に生きる誰もが
一度は通り抜ける試練
そして未来のない試練
オルガン奏者になるのが君の夢
そんな君の笑顔を絶やさないことが
僕の夢だった
君を“ひまわり”と呼んで愛した日々
二人にとって
20回目のひまわりが咲く今頃は
新居の小さな窓から
夏の星を眺めてるはずだった
そして 今…
僕たちは別世界の寝室で
互いの寝顔を見つめてる
同じ速度で人生を生き
そして同じ速度でここにいることを 奇跡と思って
これからのことを 語り合いながら…
--- 〔 行方不明 南三陸町 30代前半 男性 〕 ---