なによりあなたを包む雨となり
その嘆きを諌める花々となり
眠るあなたの居場所を
旅人に告げられたらと 願っていた…
そしてなによりともに悼む
同じ 見えないものの一つとして
あなたの傍に寄り添う私もまた
歴史の中で封印された 古い命
私はあなたの空であり
私はあなたの未来となり
そしてあなたと
ひとつになることを望んでいる
あの日から 名もなき墓標を巡り続け
歌う 太古の祈りの歌
ふるさとの森を駆け抜けて行く
あの風のように
永遠に旅することを使命として
求められるがままに地を巡る
そしてまた 一粒のかなしみの終わりを
ここに見届ける
命の送り火を ゆびさきにともし
森の精としての役目をまた一つ
全うして行く
--- 〔 太古の時代の魂を持つ者 〕 ---