見知らぬ人の手に抱かれ
石になった私
いつものように あの日も
神に祈りを捧げていた
世界の平和と安らぎを思い
どこか他人事のように 祈っていた…
生きて出来ることはほかにもあったのに
私は ただ祈り続けていた
来る日も 来る日も
それが仕事だと 御身を偽り続けて…
今の私にできることは 何だろうか…?
全ての自由を失った今
そして引き換えに得た
永遠の自由の中でもやはり
私は考え続けている
私は 試されるために生まれ
生きて
そして再び 石の体を得ることで
その信心深さを 試されようとしている
--- (63歳 男性 僧侶 ≪石巻≫) ---